現場ニーズをもとに、オンリーワンの機能性ポリマーを開発

ケミカル事業では、独自性の高い機能性ポリマー(ポリアリルアミン・ポリアミンシリーズ)の開発・製造・販売を手掛けています。これまでに、排水処理のための凝集剤から、紙や繊維、フィルムへのインクの定着剤、重金属の捕集剤などを開発してきました。化成品・医薬品メーカーや研究機関と一体となった研究開発、顧客ニーズを捉えた製品提案が特長です。ニッチ市場に強く、日本国内に留まらずグローバル市場へも積極展開を進めています。
ケミカル製品の開発は、研究スタッフが顧客である化成品メーカーや研究機関へ訪問し、顧客ニーズを現場レベルで把握・検討することをきっかけとして、顧客が潜在的に抱える問題を見極め、解決に導くための製品を提案しながら進めます。繊維用の染色固着剤から廃水浄化用の高分子凝集剤、木床用のハードコート剤までに及ぶ、幅広いオンリーワン製品のラインナップを生み出してきました。
最大の強みは、独自の原料や製造ノウハウを活かした、新規性の高い機能性ポリマーの研究開発力です。「PAA®(ポリアリルアミン)」や「PAS(ポリアミンシリーズ)」など、世界でも類を見ないポリマー製品は、顧客との対話を重ねて開発した製品です。また、無機・有機複合材料の諸問題を画期的に克服した無機・有機ナノコンポジット材料「SSGコート®」や、天然木材保護用の特殊液体ガラス塗料「MOKUTO®」は、木工分野、金属分野、ビルメンテナンス、化成品メーカー、電子機器メーカーなどに多数採用いただいています。
ケミカル事業は、機能性ポリマーや無機・有機ナノコンポジット材料が秘める新たな可能性を探求し続ける「総合ポリマー事業/ナノコンポジット材料事業」を目指します。
事業のなりたち
ケミカル事業の始まりとなったのは、日東紡の旧化繊研究所で発明された「ポリアミンスルホン」でした。同研究所はアクリル系繊維などの有機繊維を研究しており、その副産物としてポリアミンスルホンを発明し、発展させていきました。この機能性ポリマーをもとに新しい高分子ポリマーの開発を続け、顧客ニーズに寄り添った研究開発の結果、染料の固着剤やインクの定着剤など、生活に欠かすことのできない多様なポリマーを生み出してきました。