自らの手で分析、提案し、
最終製品を見据えた
研究開発を目指す
佐々木 遼
総合研究所
グラスファイバー
研究開発担当(複合材料)
2016年入社
工学研究科 応用化学専攻修了
理想的な表面処理剤を追求する日々
私の所属部署は、プラスチック補強用のガラス繊維に関する研究開発を行っています。その中で私は、ガラス繊維用の表面処理剤開発を主に担当しています。具体的には、各種プラスチックに対する表面処理剤の最適化や、お客様の要望に合わせたサンプルの試作提供、製造現場で使用している表面処理剤の改良などを行っています。ガラス繊維製品を製造する際に、繊維表面にシランカップリング剤や水系樹脂を含む処理剤を塗布、乾燥させる表面処理を行います。この表面処理剤により、摩擦などのダメージから繊維が保護され、毛羽の発生などが抑制される結果、作業性が向上します。また、プラスチック補強用のガラス繊維には、プラスチックと表面処理剤との相性を考慮する必要があります。「ガラス繊維とプラスチックの接着性は良いか」、「プラスチック中でガラス繊維は均一に分散可能か」、「プラスチックは変色しないか」といった要素を見極め、理想的な表面処理剤を追求しています。
表面処理剤開発テーマを推進
当部署では、お客様にとって理想的なガラス繊維の表面処理剤を開発するために市場調査やお客様との打ち合わせを通じた情報収集を重要視しています。とりわけ、筐体や内部部品に強化材としてガラス繊維が多く使用されているスマートフォンの調査は重要で、その部品毎に要求される強度、寸法安定性、耐熱性などの調査で明らかになった情報が研究開発に活用されています。毎年、各スマートフォンメーカーから新モデルが発売されており、スマートフォンの機能やデザインが変更される度に、使用されるプラスチックの種類や要求特性も変わりますので継続した調査が重要です。私は入社2年目にこの調査に携わり、使用されているプラスチックやガラス繊維の動向を把握し、市場のニーズの推察を行ってきました。この時の調査結果に基づいて立ち上がった表面処理剤開発テーマが、現在の私の主業務です。市販製品の調査からニーズを分析し、それにマッチした商品開発を行うまでの流れを体験できたことで、とてもやりがいを感じています。
付加価値の高い製品を開発し、会社と社会に貢献したい
直近の目標は、私が主テーマとして開発を進めているガラス繊維用の表面処理剤を完成させ、市販製品として立ち上げることです。今後もガラス繊維製品の開発経験を積み、ゆくゆくは開発テーマを自ら立ち上げ、プロジェクトのかじ取りができるように成長したいと考えています。さらには、ガラス繊維からプラスチック、最終的なプラスチック製品までトータル的に把握し、お客様視点での製品開発ができる人財となることを目指しています。お客様のニーズに合った付加価値の高い製品開発を行うことで、日東紡が「社会になくてはならない企業」として輝いていく。そんな企業成長に貢献することが、私の大きな目標になっています。