当社は2023年に創立100周年を迎え、次の100年も持続的な成長を目指しています。長期ビジョンである2030年にありたい姿『Big VISION 2030』の実現に向け、2024年度から4年間の中期経営計画に取り組んでいます。
中期経営計画のポイント
長期ビジョンの達成に向け、以下のポイントに沿って4年間の計画を推進していきます。
スペシャルガラス、メディカル分野において前中期経営計画で実行した投資の着実な刈り取りおよび市場の急激な立ち上がりにも対応可能とする積極的な成長投資を継続
- スペシャルガラスとメディカルに次ぐ新たな柱づくり
- 開製販の一体運営、顧客視点の強化
定量目標
2027年度の売上高は1,350億円、営業利益は200億円を目指します。
計画を着実に遂行するとともに、引き続き財務の健全性を維持し、企業価値の向上に努めます。
(安定的に資本コストを上回る水準)
連結配当性向30%を基本方針とする
125億円で0.5カ月分、以降25億円単位で0.5カ月分ずつ増額
ROEの改善
スペシャルガラスを中心に成長投資が先行した前中期経営計画は、ROEが株主資本コストを下回って推移しましたが(以下参照)、新中期経営計画期間は先行投資の刈り取りと、さらなる成長戦略の推進により、安定的に株主資本コストを上回るROE水準を目指します。
適正なPER水準
引き続き投資を厳選し、ポートフォリオの収益性を上げるとともに、ガバナンスの強化、環境への取り組み、働き方改善など、サステナビリティ経営を推進します。適時適切なIR活動を通じて株主・潜在投資家などとの対話を強化します。
前中期経営計画期間における推移
事業戦略
5つの事業本部では、『Big VISION 2030』の達成およびその先の安定成長を目指し、本中期経営計画に取り組んでいます。
基本方針
市場拡大が期待できる分野に向けた供給体制の整備、積極的な設備投資の継続
『Big VISION 2030』を実現する2030年度目標に向けて、投資の刈り取り、新規開発製品の結実による着実な収益貢献を目指す
電子材料事業
メディカル事業
既存事業領域の深掘りをしつつ、2030年度以降を見据え、グラスファイバー、繊維など、従来の括りに捉われない新たな発想で事業の探索を進める
複合材事業
資材・ケミカル事業
断熱材事業
ビジョン次世代製品へのシフトを進め、売上高及び利益率でさらなる高みを目指す
課題 | 施策 |
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1. 前中期経営計画で実施した投資の刈り取り |
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2. スペシャルガラス需要拡大への対応強化 |
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3. 次世代スペシャルガラスへのマーケティング活動、研究開発強化 |
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ビジョン血漿タンパク分野および骨分野でグローバル No.1 となる
課題 | 施策 |
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1. グローバル展開強化 |
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2. 研究開発の加速、新商品開発の推進 |
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3. Nittobo America Inc. の 製販強化 |
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4. 基盤強化 |
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ビジョン既成概念に捉われず、変革への挑戦を通じて以下の目標を達成
より高い生産性、より強いコスト競争力 より広く社会に貢献する商品・プロセスの開発 より深いお客様との信頼関係構築
課題 | 施策 |
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1. 生産性向上、コスト競争力の強化 |
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2. 顧客起点の商品開発と需要探索 |
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3. 環境対応商品の開発、生産プロセスの環境対応 |
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ビジョン既存事業の枠にとらわれない柔軟な発想とコラボレーションにより
新規ビジネスを創出する
課題 | 施策 |
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1. 新規ビジネスの創出 |
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2. シナジーを生み出す組織 |
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3. 成長分野における新規商権獲得 |
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ビジョン日東紡グループのみならず、外部リソースも活用し、新たな市場開拓を行う
課題 | 施策 |
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1. 省エネによる需要の高まりを機会としたハイエンド製品の販売強化 |
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2. 生産性向上にともなう安定供給 |
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3. ガラス瓶回収量の減少にともなうリサイクルガラスの原料リソース拡大 |
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研究開発
2017年に設立した総合研究所を2024年4月1日に改組しました。商品開発機能は、各事業本部が担い、製造・販売が一体となることで機動性を高めていきます。また、基礎研究、生産技術に特化した技術開発本部が商品開発機能の横串を担います。
技術開発本部方針
長期経営計画実現に向けて、3つの柱を軸に新たな未来を切り開く
1両利きの開発
- 知の深化「生産・技術基盤の革新」
…将来必要となる基盤技術の強化、実装 - 知の探索「コア技術の活用、再定義」
…新しい市場の開拓、種まきを推進
2オープンイノベーション
- 外部パートナーとの「共創」
…複雑化する社会課題への迅速な対応 - 異業種間交流による「人財育成・新規テーマ創出」
…自由なイノベーション活動
3デジタルイノベーション
- 技術開発をはじめ、生産現場、バックオフィスなどあらゆる業務プロセスを俯瞰して「デジタル化」に取り組み、現在取り組んでいるMIやAI活用(AI実装)からプロセスイノベーション(CPS化の前段)へつなげる
サステナビリティ戦略
環境戦略
2050年度を見据え、2030年度目標を掲げています。目標を確実に達成するべく、ロードマップに沿って取り組みを加速していきます。
2030年度目標
CO2排出量削減
30%削減
(2013年度比)
廃棄ガラス削減
廃棄ガラス実質ゼロ達成
環境貢献商品の開発
※「環境貢献商品の開発」の目標は、
2024年度に策定予定。
CO2排出量
ロードマップ
※1CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage):CO₂を回収・貯留し、有効活用する技術のこと。排出された CO₂を他の気体から分離・回収し、回収されたCO₂は、地中や海底などに貯留される。
※2カーボンフットプリント:製品やサービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガス排出量をCO₂に換算して表示する仕組み。
※3カーボンニュートラル・グラスファイバー:原料の採掘から輸送・製造までの過程で排出されるCO₂を実質ゼロ化したグラスファイバー。
人財戦略
持続的な成長に向け、人財の確保と働きがいの創出への取り組みを推進します。
人財の確保
2027年度までにグローバルで20%増を目指す
働きがいの創出
エンゲージメントの向上を目指す