日東紡の研究風土を、
後進に受け継いでいく
照内 洋子
メディカル事業部門
スペシャリティケミカルス
研究開発担当
2007年入社
理学研究科修了
専攻外の配属先でも、大いなる成長ができる
入社後の初配属は、学生時代に生化学を専攻していた私にとっては専門外となるスペシャリティケミカルス開発グループ(以下、SC開発グループ)でした。扱う開発素材は、主にアミン系ポリマーです。それらは、洗剤や医薬品の原料、インクジェット専用紙用の定着剤、衣類を染めるための染料固着剤など、身近な用途でも幅広く使用されている物質です。専攻とは全く異なる分野であったため、配属後間もない頃は慣れないことばかりで不安が大きかったです。それでも、先輩や上司に恵まれ助けられながら知識を習得することができました。入社2年目以降は、お客様から要望されたポリマーの設計、合成に取り組み、お客様先に訪問する営業同行や、自分が開発したポリマーなどの特許出願も行ってきました。2012年と2017年には産休、育休のためにそれぞれ1年2ヶ月ほど休暇を取得していますが、その度に同じ職場へ復帰しています。そして2019年からはSC開発グループのグループリーダーになり、実験中心だった仕事から、管理中心の仕事へと変わりました。
絶対に諦めない。その過程に成長の種がある
現在はリーダーとして、6名のグループメンバーのまとめ役をしています。開発テーマの進捗管理から、メンバーへの仕事の割り振り、お客様からの技術的な問い合わせ対応、営業同行などが業務にあたります。アミン系ポリマーは幅広い用途に使用されているため、繊維、紙、金属、電子材料など様々な業界の方々と関わることができ、刺激的です。しかし、ポリマーの合成業務をしていると、目的の物質が合成できない、目的とする性能が出せないなど、技術的なハードルを感じることが多々あります。一筋縄では行かず、考えが行き詰まることもあります。しかし、すぐに諦めてしまうのではなく、「まだ別の方法があるのではないか」、「何か見落としていることはないか」と、常に新たな策を考え、粘り強く取り組んでいくように心掛けています。お客様先で想定外の評価結果が出た際も、すぐに諦めるのではなく、持ち前の粘り強さを活かした提案を行い、次の開発案件につなげていく姿勢を大切にしています。開発業務は困難の連続ですが、業務遂行のために努力して得た知識や経験こそが、自分にとって大きな成長につながっていると感じています。
育児と両立しながら、リーダー職を務める
若手の時から感じていましたが、日東紡は個人の意見を尊重する風土があるため、立場に関係なく自由に発言し、アイデアを出し合えるところが魅力です。若手でも自分の考えを発信でき、それが認められれば、業務に反映させられます。さらに、SC開発グループでは、開発業務と直接関係なくても、興味のあるセミナーや学会、展示会に許可を得て参加し、自由に勉強や実験を行える機会も作れます。各人が興味あることに対して、取り組みやすい雰囲気がある点も大きな魅力です。私は現在、2人の育児をしており、子供の体調不良で急なお休みを取ることもありますが、周囲の理解もあって、とても助かっています。育休や看護休暇、時間年休といった制度をしっかりと使える風土があるので、育児と仕事の両立がしやすい環境です。私はリーダーとして、メンバー一人ひとりが充実して働ける環境を作ることこそが、グループ全体の仕事の質を高めることにつながると思っています。今後も、子育てで培った経験を活かして、細やかな気配り、目配りができるリーダーを目指し続けていきます。